妖狐と狐の姫
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The story that inspired the idea
岩山の頂上に狐の姫のきらめと妖狐の美狐が座っていた。
風は心地よく、山々が遠くに広がっている。狐たちは疲れた翼と身体を休めていた。
「美狐さん、この岩山からの景色、素晴らしいですね」
狐の姫は美狐に微笑んだ。
美狐は尾をくるりと巻いて、空を見上げた。
「そうだね、きらめ様。この高さから見る世界は普段とは違う世界に見えるね。それは山々がボクたちを祝福してくれているからなんだよ」
「美狐さんは、いつも冷静で賢いわね」
狐の姫は褒めた。
美狐は照れくさそうに笑った。
「そんなことないよ。ただ、山々の声を聞くことが好きなんだ」
狐の姫は興味津々で聞いた。
「山々の声?それってどんな声?」
美狐は目を閉じて耳を澄ませた。
「風のささやき、木々のざわめき、鳥たちの歌。それらが一つになって、山々の心臓の鼓動を奏でているんだ」
狐の姫は感嘆の声を上げた。
「美狐さん、あなたの言葉は詩のようだわ」
美狐は照れくさそうに笑った。
「きらめ様、君も詩を作ることが好きだろう?」
狐の姫は考え込んだ。
「そうね、でも私の詩はいつも狐たちのために」
美狐は優しく微笑んだ。
「それは素晴らしいことだよ。君の詩は山々に響いているはずだ」
二人は岩山の上で、他愛もない話をしながら、風に乗って飛び立った。
美狐の言葉が心に残り、狐の姫は新たな詩の言葉を探し始めたのでした。