大国主神(おおくにぬしのかみ)1

神聖画廊古事記,日本神話

大国主神~オオクニヌシノカミ イメージ

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大国主神<オオクニヌシノカミ>

大国主神(おおくにぬしのかみ)は、日本神話において最も重要な神の1柱であり、国津神の中でも主宰神とされています。大国主神は日本の国土を創造し、農業、医薬、禁厭(まじない)などの知識を人々に教えたとされています。以下に、大国主神の概要をまとめます。

大国主神の起源と神話

大国主神は、須佐之男命(すさのおのみこと)の子孫であり、天之冬衣神(あめのふゆきぬのかみ)と刺国若比売(さしくにわかひめ)の息子とされています。また『日本書紀』正伝によると素戔嗚尊(すさのおのみこと)の息子であり、日本国を創った神とされています。
大国主神はスクナビコナと共に国土を治め、多くの神話に登場します。特に有名なのは、因幡の白兎の救済や、沼河比売(ぬなかわひめ)への妻問いの話です。

大国主神の影響と信仰

大国主神は出雲大社の主祭神であり、日本全国に広く信仰されています。彼は「えんむすび」の神としても知られ、人々の縁を結ぶ神として崇拝されています。また、彼の神徳は多くの御神名によって称えられており、国土を豊かにする神としての役割を果たしています。

現代における大国主神の意義

大国主神の教えは、現代社会においても重要な価値を持ち続けています。彼の物語は、人々が共に豊かに栄えていくための結びつきや、目に見えない世界を司る力としての役割を示しています。出雲大社をはじめとする多くの神社で祀られ、日本の文化や歴史に深く根ざした存在となっています。

大国主神<オオクニヌシノカミ>の物語

因幡の白兎

風が草原を渡る音が聞こえる。因幡の国の海岸線に、一匹の兎がいた。その兎は、鮫を騙して海を渡り、因幡の国へと来たが、鮫たちに裏切られ、皮を剥がされてしまった。苦痛に顔を歪める兎を見て、大国主神の兄弟たちは海水で体を洗えと助言したが、それは兎にとってさらなる苦しみをもたらすだけだった。

そこに現れたのが、大国主神である。彼は兎に真水で体を洗い、蒲の穂綿に包むよう教えた。兎は大国主神の言葉に従い、やがて傷は癒え、元の姿を取り戻した。兎は感謝の意を表し、大国主神が兄弟たちと共に求婚の旅に出た際、美しい八上比売命(ヤガミヒメノミコト)は心優しい大国主神を選ぶだろうと予言した。

試練の連続

八上比売命との結婚を果たした大国主神だったが、兄弟たちの嫉妬は増すばかりで、彼を殺そうとする陰謀を企てた。赤い猪を捕えるという名目で、大国主神を山へと誘い出し、火で焼いた大石を転がして彼を焼き殺そうとした。しかし、大国主神の母親の懇願により、神産巣日神(カミムスビノミコト)が遣わした治療神によって、大国主神は生き返った。

根の国の出会い

再び命を狙われる中、大国主神は根の国へと逃れた。そこで、須勢理毘売命(スセリビメノミコト)と出会い、二人は一目で恋に落ちた。しかし、須勢理毘売命の父である須佐之男命(スサノオノミコト)は、大国主神に数々の試練を課した。蛇やムカデ、蜂がうごめく部屋での一夜、野原を焼く火、そして頭の虱を取るという命令。それぞれの試練に、須勢理毘売命の助けを借りながら、大国主神は乗り越えていった。

愛と逃避行

試練を乗り越えた大国主神は、須勢理毘売命と共に逃避行を決意する。須佐之男命の髪を柱に結びつけ、宝物を持ち出して逃げた。しかし、逃走中に琴が木に触れて鳴り響き、須佐之男命は目を覚ました。それでも二人は逃げ切り、出雲国へと戻った。大国主神は、須勢理毘売命を正妻とし、新たな宮殿を建て、国づくりを始めた。

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