メイド物語 ネコ耳ミルク
※低画質で表示しています※無断転用お断り
The story that inspired the idea
「あら、ミルクちゃん、おはよう。今日も元気ね」
「おはようございます、リリィさん。はい、今日も頑張ります」
ミルクは白いネコ耳と尻尾を持つメイドで、領主のお屋敷で働いている。彼女は朝のお掃除を終えて、キッチンに向かった。そこで同僚のメイドのリリィと出会った。リリィは黒いネコ耳と尻尾を持ち、ミルクより少し年上だった。
「今日は何を作ってくれるの?」
「今日は領主様のお気に入りの紅茶と、サンドイッチと、スコーンを作ります」
「素敵。私は領主様のお部屋のお掃除をします。領主様は今日もお忙しいのかしら」
「そうですね。領主様はアルベルト・フォン・シュヴァルツベルク伯爵という、とても威厳のある方ですから」
「でも、私たちにはとても優しいですよね。ネコ耳メイドを雇ってくれたのも、領主様だけですし」
「そうです。私たちは領主様に感謝しなくてはいけません」
ミルクは紅茶を入れながら、領主様のことを思った。彼は高貴な血筋で、美しい金髪と青い瞳を持っていた。彼はネコ耳メイドに興味があり、近隣の村から何人かを雇っていた。ミルクはその中の一人だった。彼は彼女たちに優しく接し、必要なものは何でも与えてくれた。ミルクは彼に心から尊敬と感謝を抱いていた。
「ミルクちゃん、紅茶の香りがいいわ。私も一杯いただいてもいい?」
「もちろんです。リリィさんもお疲れ様です」
ミルクはリリィに紅茶とスコーンを差し出した。二人はキッチンのテーブルに座って、おしゃべりを始めた。他のメイドのことや、お屋敷のことや、領主様のことなど、色々な話題で盛り上がった。ミルクはリリィと仲が良く、彼女を姉のように慕っていた。
「ねえ、ミルクちゃん。領主様に恋しているの?」
「えっ、そんなことないですよ。私はただ、領主様に仕えることが幸せなだけです」
「本当?私はね、領主様が好きだと思うの。だって、領主様はとても素敵な方だもの。私たちに優しくしてくれるし、時々笑顔を見せてくれるし、ときめきませんか?」
「ときめくというか、尊敬するというか、感謝するというか‥」
「ふふ、ミルクちゃんは恥ずかしがり屋さんね。でも、私はわかるわ。ミルクちゃんは領主様に特別な感情を持っているのよ。それは恋というものなの」
「リリィさん、そんなこと言わないでください。私はメイドです。領主様は伯爵です。私たちは身分が違いすぎます。そんなことを考えてはいけません」
「でも、ミルクちゃん。恋は身分や立場に関係ないのよ。恋は心の問題なの。領主様も、もしかしたら、ミルクちゃんのことを‥」
「リリィさん、やめてください。領主様はそんなことを思っていません。私はただのメイドです。領主様にとっては、他のメイドと同じです」
「ミルクちゃん、そんなことないわ。私は見ているのよ。領主様はミルクちゃんに特別な目を向けているの。ミルクちゃんがお茶を運んだときや、お話ししたときや、笑ったときや‥領主様の瞳はミルクちゃんだけを見ているのよ」
「そんな‥そんなはずは‥」
ミルクはリリィの言葉に動揺した。領主様が自分に特別な目を向けているなんて、考えたこともなかった。それは本当なのだろうか。それとも、リリィの妄想なのだろうか。ミルクは自分の胸の中に、小さな期待と不安と恐れと‥それはもしかして、恋というものなのだろうか。
「ミルクちゃん、大丈夫?顔が赤くなってるわよ」
「あっ、いえ、なんでもないです。すみません、リリィさん。私、ちょっと用事があるので‥」
ミルクは慌てて席を立った。リリィは微笑んで見送った。彼女はミルクの気持ちを知っていた。そして、領主様の気持ちも知っていた。彼女は二人の仲を応援していた。彼女は自分には恋は必要ないと思っていた。彼女はただ、ネコ耳メイドとして、領主様のお屋敷で働くことが幸せだと思っていた。