黒龍姫~月下の出会い
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The story that inspired the idea
黒龍姫は夜の森を歩いていた。月明かりが枝葉に差し込み、幻想的な光景を作り出していた。彼女の長い黒髪は風になびき、深紅の瞳は星々の輝きを映していた。
森の中には美しい花々が咲いていた。それは通常の花ではなく、魔法の力を秘めているものだった。彼女は一輪の花に近づき、その花びらを触れた瞬間、心が温かく包まれるような感覚を覚えた。
「この花は…」黒龍姫は驚きを隠せなかった。花は彼女に何かを伝えているような気がした。
そのとき、影が近づいてきた。黒い鱗に覆われた巨大な竜、闇龍(やみりゅう)が現れた。彼の目は赤く燃えており、その存在は人々に恐怖を与えていた。
「黒龍姫、お前はこの花の魔法を理解しているか?」闇龍の声は冷たく厳格だったが、彼女に対しては異なる。
黒龍姫は瑠璃(るり)と名乗った。彼女は幼少期に黒龍の森で孤独に過ごし、森の精霊たちから魔法を学んだ。その魔法は自然と調和し、森を守る力を持っていた。
「この花は愛と希望の魔法を持っている。月の光を受けて、私たちに力を与えてくれるのだ。」瑠璃は微笑んで言った。
闇龍は黙って花を見つめた。彼はかつて人間と竜の戦争で多くの仲間を失った。黒龍姫との出会いで彼の心は変わり、彼は自分の過去と向き合うことを決意した。
「瑠璃、お前は私たちの未来を変える力を持っている。この花の魔法を使いこなせ。そして、森の平和を守るために戦え。」闇龍は彼女に誓った。
月下の出会いは二人の運命を繋げ、黒龍の森に新たな魔法の物語が紡がれる瞬間となった。
(続く)